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2026年4月、マンション管理関連では重要な二つの改正法が施行される。区分所有法とマンション管理適正化法だ。前者の数十年ぶりの大改正が話題になっている一方で、管理会社、管理組合やマンション住民に実は大きな影響が出そうなのが後者だ。法施行により管理委託費の値上げや、不採算マンションからの撤退がまた活発になるのではないかとの予測まであるのだ。いったい何が起こるのだろうか。連載『マンション羅針盤』の第17回では、波乱を呼びそうな新法とその影響についてマンション管理士が詳細に解説する。(フルニール代表 中村優介)
外部管理者方式の規定を定めた改正マンション管理適正化法で
管理会社の撤退ラッシュがすでに始まっている
2025年5月にマンション関係法が改正され、その中核となる改正区分所有法が26年4月から施行されることとなりました。今回の法改正では、集会(総会)の定足数の規定の新設や、一部決議要件の緩和等、これまでの基本的なルールが大幅に変更されることとなります。
これまでは区分所有者の権利が保護され過ぎていたきらいがあり、無関心、あるいは非協力的な一部の区分所有者が管理組合運営の妨げとなるケースが多々ありました。このような背景を踏まえて、「統治する側(管理組合)と統治される側(区分所有者)のパワーバランスの調整」がなされたわけです。
さて、そんな区分所有法の大改正の陰で、マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則の一部を改正する省令(令和7年国土交通省令第102号、改正マンション管理適正化法)が25年10月2日に公布され、こちらも区分所有法と同じく26年4月から施行されることとなりました。
実は今、この省令の公布により、管理会社が管理組合に請求する管理委託費がまた値上がりする可能性があるのです。それのみならず、ある特定のタイプのマンションからは管理会社が雪崩を打って撤退してもおかしくない状況になりつつあるのです。なぜでしょうか。そして、マンション管理組合はこの事態にどう対応すべきでしょうか。管理組合を守るためのはずの法改正が、結果的に管理組合にあだなすことにもなりかねない状況です。今回は法改正の中身の詳細解説と、一般のマンション住人や管理組合の対応策について、次ページから解説していきましょう。







