みなさんは、世の中のちょっとした変化に敏感でしょうか。
数字に強い人は、ちょっとした変化に「違和感」を感じ、自分で仮説をたてて、その理由を数字で考えていきます。
経営コンサルタントとしてこれまで2000社の財務分析、1000人以上のビジネスパーソンに会計セミナーを実施してきた平野薫氏は、①世の中の事象に違和感を持つ→②違和感にフォーカスする→③自分なりに仮説を立てる→④数字で根拠を分析し検証する→⑤人に話したりブログに書いてアウトプットする、という一連のルーティンを日々継続して行うことが数字に強くなるコツだと言います。まずは、「違和感」を放置せずフォーカスすることが大切なのです。
本連載では、「世の中のふとした疑問を数字で考えるエピソード」が満載の話題の書籍『なぜコンビニでお金をおろさない人はお金持ちになれないのか?』から一部抜粋し、数字に強くなるエッセンスをお届けします。
一人当たりの軒数で比較すると
知識を定着させる上で重要なことの一つにアウトプットすることが挙げられます。数字に強くなるためには、自分が知って「へぇー」と思って、仮説を立て数字で検証したことを積極的に人に話すとより能力が高まっていきます。
このぐらいのエピソードでいいですよ、ということをお伝えするために、最近私が、クライアントとのミーティングの前、雑談の際にお話ししたことをお伝えしましょう。
また最近、外国人旅行者に粉物(お好み焼き・たこ焼き)が人気だそうですが、皆さんの中でお好み焼きといえばどの地域をイメージしますか? 多くの方が大阪をイメージされるかもしれません。食べログで検索すると、「大阪市 お好み焼き」が1267軒に対して「広島市 お好み焼き」が874軒掲載されています(2023年11月6日時点)。これだけ見るとやはりお好み焼きの本場は大阪かと思うかもしれませんが、人口一人当たりで計算すると下記のようになります。
大阪市(人口269万1000人)
お好み焼き屋軒数 1267軒
一人当たりの軒数 2123人に1軒
広島市(人口119万4000人)
お好み焼き屋軒数 874軒
一人当たりの軒数 1366人に1軒
広島はOLがランチにお好み焼きを食べる機会も多いそうですが、この数字からも広島のお好み焼き愛を感じることができますね。
こんなちょっとした面白いネタを人に話すことでその数字が自分の頭の中に残り、ストックされていきます。 是非積極的にアウトプットしていただければと思います。
優れたビジネスパーソンが商談の際に話すことの9割は雑談である
このアウトプットする習慣は、数字に強くなるだけでなく、ビジネスパーソンにとって大切な能力である「コミュニケーション能力」を高めることにも役に立ちます。
「優れたビジネスパーソンが商談の際に話すことの9割は雑談である」ということをお聞きになった方もいらっしゃるかと思いますが、ただの雑談というよりは、話し相手にとっても「気づき」となるような雑談をすることで、あなたの評価もきっと高まり、もっと話を聞いてみようということにもなるでしょう。
(本原稿は、平野薫著『なぜコンビニでお金をおろさない人はお金持ちになれないのか?』を抜粋、編集したものです)