ガザでの終戦や現地で拘束されている人質の解放に向け、米イスラエル両政府が取り決めを巡って議論を続ける中、メディアに精通し極右勢力内でも注目を集めているある議員がその最大の支障となる可能性がある。イタマール・ベングビール氏は1年前、国家治安相に就任した。ユダヤ教徒らがイスラエル領土の正当な所有者であると宣言したことなどから、その名を知られるようになった。同氏は最近では、ヨルダン川西岸に入植したイスラエル人のユダヤ教徒らにアサルトライフルを支給するキャンペーンを指揮している。ベングビール氏への支持は連立政権内でも広まっており、ベンヤミン・ネタニヤフ首相による統治を揺るがす状況にある他、本人も自身への支持を利用するつもりだとこれまでに発言している。同氏は政権入りして以降で初となる外国の報道機関とのインタビューで、イスラム組織ハマスとの合意に関し、テロ容疑で拘束されているパレスチナ人数千人の解放が含まれる場合は反対すると表明した。またハマスが完全に掃討されるまで戦争を終わらせることも受け入れないとしている。