株式市場では近頃、人工知能(AI)やサステナブルファンド、クオンツ運用が大はやりだ。銘柄選択の最も古くてシンプルな戦略の一つである配当株投資は時代に取り残された感があるものの、見直しの余地はあるかもしれない。2008~09年の世界金融危機以降、投資家は配当を軽視してきた。米国株のうち、配当利回りが5%を上回る銘柄の08年末以来のリターンは約450%で、S&Pコンポジット1500指数の上昇率640%を下回る。無配当の銘柄のリターンはほぼ1200%に達する。ところが今月、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズがそうした「無配当組」から脱退した。メタは四半期配当を1株当たり0.50ドルで開始すると発表。メタバースへの投資が結果を伴わず投資家に忍耐を強いてきたが、支持回復を狙っている。