「仕事が忙しくて、どうにも料理を作る気力が出てこず、コンビニ頼りになっている……」
そんな食生活を送っていませんか?
コンビニにはおいしい商品がたくさんあるものの、連日連夜になるとなんとなくつらくなってしまうもの。「でも、ご飯を作るのは……」と気が重くなっている人に試してほしいのが、自炊料理家の山口祐加さんが提唱する『軽めし』です。
忙しいけれど、自分の体も労わりたいと感じている方におすすめのレシピが満載。本記事では、本書の内容をもとに、「疲れているときでも作れてしまう、簡単軽めしレシピ」を紹介します。

「深夜だけどコンビニごはんはイヤ!」疲れていても作れる超簡単な自炊レシピ・ベスト2Photo: Adobe Stock

疲れ過ぎて、何が食べたいかわからない

 仕事帰り、深夜のコンビニで買うものを決められずに、長い時間ウロウロした経験はありますか? 

 私はあります。
 お腹は減っている。でも、何を食べるべきかがわからない
 おいしそうなパスタやオムライスはカロリーが高そうだから、太りそう。でも、サラダだけでは味気ない。冷凍食品にいいものあるかな。いっそ、スープだけにしようか……。

 そんなことを考えながら、30分近くも店内をウロウロしていたことを思い出します。

 その頃の私は、毎日残業続き。帰ってから料理をする気力もない。かといって、何も食べずに寝られるわけもなく。
 結果、コンビニで何か夜食を買って帰るのがお決まりになっていました。

 しかし、そんな生活が何日も続くとさすがに飽きてきて、「食べたいものがない」という状態に陥っていたのです。

 散々悩んで買って帰ったら、もう22時半なんてこともざらで。「選ぶのにこんなに時間がかかるなら、いっそ自分で何か作ればよかった」と落ち込んだことを覚えています。

 すごくすごく疲れていたから、何か温かいものを食べて、ホッと一息つきたかっただけなのに……。

簡単に作れて、軽く食べられて、温かい

 この頃の私が求めていたのは、深夜に食べても大丈夫な、カロリー的にも胃の負担的にも“軽い”ご飯

 そして、簡単に食べられるという手軽さ。それが温かくておいしければなお良し。
 できれば後片付けもしたくないから、何か作るにしても、できるだけ調理器具を使わないものであってほしい。

 そんなことを考えていた当時の私に、ぜひ試したいと思ったのが「軽めし」です。

 炊料理家の山口祐加さんが「軽くていい。ラクしていい。だけど、おいしく食べてほしい」と考えた、最小限の手数で最大限のおいしさを導き出したレシピです。

レンチンだけど「自炊したご飯」が食べられる

 その中で、一際目を引いたのは「『コンビニのご飯じゃ違う』そんな日に」と書かれた「温泉卵のみそおじや」

「深夜だけどコンビニごはんはイヤ!」疲れていても作れる超簡単な自炊レシピ・ベスト2温泉卵のみそおじや (撮影:鈴木泰介)

 お腹空いてるけど、コンビニ寄るより直帰したい。
 でも、凝ったご飯は作れない。そんなときこそコレ。
 作った自分、ほめてあげて。(P.94より)

 そんなメッセージと共に紹介されたこのレシピ、本当に簡単なのにおいしそう。

【材料】(1人前)
ご飯 …… 茶碗に軽く1杯分(100g)
かつおぶし …… 4g
温泉卵 …… 1個
 ※温泉卵は生卵でもOK
調味料
 みそ …… 大さじ1
【作り方】
1 盛り付け用の耐熱深皿に、ご飯と水100mlを入れてレンジで4分加熱する(ラップは不要)。
2 1にみそ、かつおぶしを加えて混ぜ合わせ、さらにレンジで1分加熱する。最後に温泉卵をのせる。

 冷凍ご飯がなければ、パックご飯でいいし、温泉卵だってコンビニに売っている。なんなら、生卵のままでもいいらしい。しかも、調理器具不要。なんて素敵なレシピなのでしょう!

 加熱している間に、着替えたりメイクを落としたりしていれば、レンチンしている4分なんてあっという間。最後にみそとかつおぶしを混ぜるだけなら、疲れていてもできそうです。

汁物も「お湯を注いで混ぜるだけ」で完成

「できれば何か汁物も……」と思ったら、「ラーメン屋さんのスープ」を作ってみたらどうでしょう。
 正真正銘、お湯を注ぐだけのスープなので、負担はほぼゼロです。

「深夜だけどコンビニごはんはイヤ!」疲れていても作れる超簡単な自炊レシピ・ベスト2ラーメン屋さんのスープ (撮影:鈴木泰介)
【材料】(1人前)
調味料
A

 ・鶏がらスープの素 …… 小さじ1
 ・塩 …… 少々
 ・しょうゆ …… 小さじ1/2
こしょう …… 適量
【作り方】
 器にAを入れ、180mlの湯を注ぎ、こしょうをふる。

 あれば、干しエビやごま、ごま油などを加えてもおいしいのだそうです。

 どちらも5分もあれば出来上がる、正真正銘の「軽めし」です。

自炊することで、気持ちが軽くなることも

 確かにコンビニご飯は手軽でおいしいけれど、何日も続くとなんとなく心が疲れてしまう。

 それはもしかしたら「ご飯もろくに作れない生活をしている私」という状況に気持ちが落ち込んでいたのかな、と今なら思います。

 でも当時、コンビニで思い悩んでいたあの時間で、パパッと作れるレシピを1つでも知っていたら。
「遅くなったけど、ちゃんとご飯作れたじゃん」と、きっと気持ちはずっと軽くなったことでしょう。

 もし、あなたが忙しくて外食やコンビニ食が続いているなら「軽めし」を参考にしてみてください。
「忙しいけれど、自分を大切にしたい」という願いを叶えてくれるレシピがたくさん載っています。

「これなら疲れていても作れるかも!」と思えるレシピの数々が、きっとあなたの心を軽くしてくれるに違いありません。