上司と部下写真はイメージです Photo:PIXTA

以前、関西で飲食チェーンを展開する経営者から、退職者に対する「退職理由の本音アンケート」の調査結果をお聞きしたことがあります。その中で、最も多かった回答は「しっかり教育してもらえなかったから」でした。では、具体的にどう教育すればよいのでしょうか。今回は、わずか15分で100%教えきる新人研修の方法について、お伝えしたいと思います。(メンタルチャージISC研究所代表取締役 岡本文宏)

仕事ができる人を育てるのに
マニュアルは必要か?

 訪れる人に感動を与え続けるディズニーランドや、高品質なホスピタリティーを提供しているスターバックスには、接客マニュアルは存在しないと聞きます。一方、無味簡素な対応しかできていない企業では、マニュアルに基づき、教育を行われています。そう言うと「マニュアルはなくてもよい?」と考える方がいるかもしれません。

 しかし、マニュアルは必要だと私は考えます。マニュアルがなければ、教える人によって作業手順などが異なる場合があるので新人は混乱します。一方、マニュアルがあれば、誰でも正しいやり方を、時間をかけずに教えられます。

 マニュアルの内容は、職場で行う業務を全て網羅するようにしてください。現場で業務を行う上での「暗黙のルール」が存在しているのなら、それもマニュアルに載せます。ルールを知らないがゆえにミスをして注意されると、新人スタッフは理不尽に感じてやる気が失われます。

 また、マニュアルに定められている通りに全員が業務を行っているかどうか、確認することも大切です。先輩は我流で仕事をこなしているのに、新人にだけマニュアル順守を強要するのはご法度です。マニュアル通りに行われているか、再確認する機会を定期的に設けましょう。