「離職防止」は、以前から上司、経営者にとって大きな課題です。特に、仕事ができる人材が離職してしまうのは、組織にとって大きな痛手です。人手不足の状況が常態化している職場では、死活問題ともなりかねません。上司、経営者は離職防止を意識しながら、スタッフマネジメントを行わなければなりません。一方、現代の上司、経営者は、少人数でこれまで以上に成果を上げることが求められるため、自らプレイングマネージャーとしてチームの先頭に立ち、旗を振り続ける必要があります。そのため、じっくり腰を据えて、部下と向き合う時間が取れないのが実情です。そこで、この連載では、15分で完結できる、部下の育成、マネジメント手法をお伝えします。(メンタルチャージISC研究所代表取締役 岡本文宏)
信頼できる上司になるために
まず行うべきは部下との対話
上司、経営者の仕事とは何か?
一言で言えば、「チームをまとめて成果を上げること」です。ただ、現場には、異文化圏で生まれ育った社員、Z世代などの世代間ギャップを強く感じる社員などが在籍しているケースは多く、以前よりもマネジメントが行いにくい状況にあります。それ故、上司、経営者は、多様性の時代に適したリーダーシップをとることが求められています。
まず、取り組むべきは、部下と「対話」することです。対話とは「1対1でお互いに相手に向き合い、目的をもって交わすコミュニケーションのこと」です。対話を行う中で、最も重要なのが「聞く」ことです。部下の話にしっかり耳を傾けることで、彼、彼女たちの置かれている状況の把握、仕事に対するニーズも分かります。各自の特性を理解できるようにもなるので、マネジメントが格段にしやすくなります。