近年、「頭の回転の速さの象徴」としてお笑い芸人が多くの場面で活躍をしている。そんなあらゆるジャンルで活躍をし続けるお笑い芸人たちをこれまで30年間指導し、NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』でも話題になった伝説のお笑い講師・本多正識氏による1秒で答えをつくる力』が発刊された。ナインティナインや中川家、キングコング、かまいたちなど今をときめく芸人たちをこれまで1万人以上指導してきた本多氏の仕事に対する考え方をオリジナル記事としてお届けする。

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「あの人って本当に仕事できないよね」と陰で言われてしまう人がやっている悪習慣

 皆さんのまわりに「仕事ができない人」はいますでしょうか。こういった人はどんな職場でも活躍するのがなかなか難しいでしょう。

 そんな仕事ができない人がやってしまっている悪習慣があります。それは、「なんでもかんでもすぐに電話をする」です。どういうことか見ていきましょう。

 仕事ができない人は、ちょっとしたことでもすぐに人に電話をしようとします。もちろん、トラブルや緊急事態であれば電話をすることは有効策ですし、否定されるべき行為ではありません。

 ただ、電話は受ける側からすると、いつ電話が来るかもわからないなかで、自分の仕事を日々こなしているという前提があります。「集中して作業したいとき」「大事な会議のとき」などのタイミングで毎回電話が鳴ったらどう思うでしょうか。あまりいい気はしないと思います。

 また、そういった状態が長いこと続くと、「また電話が鳴るんじゃないか」と精神的に負荷がかかることにもなるでしょう。

 加えて、最悪のパターンは、電話でいきなり「可否を求めるもの」です。「〇〇案件が〇〇の状況となっていまして、どうしますか?」という趣旨の電話を受けても考える時間があまりにも短くすぐに答えることができません。「そんな大事なことをこの一瞬で決めろと?」と誰もが疑問を感じるでしょう。

 こういった仕事ができない人は、要件を言葉にしてまとめることをサボっています。「メールにするより、電話の方が速いでしょ」と自分本位で物事を考えているのです。たしかに、電話よりメールの方が時間はかかるかもしれませんが、受け取った側からすれば、ほかの仕事との調整ができたり、考える時間をつくれるので、効率よく働くことができます。

「メールだと返信がない」というならば、そのときにはじめて、メールの確認をお願いしますとだけ短い電話をすればいいわけです。

「電話の方が速くて楽だから」という自分の理由で、いたずらに他人の時間を奪ってはいけません。