さらに、2月18日には東京ドームにて『オードリーのオールナイトニッポン in 東京ドーム』というイベントが行われる。これはオードリーのラジオ番組『オードリーのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)のイベントである。すでに追加発売を含めたチケット5万枚が完売しており、芸人のライブとしては史上最多の5万人を動員するビッグイベントとなる。

原則お笑いは大きい会場には向かない

 一般的な感覚では、人気のある芸人が大きい会場でイベントをやるのは当たり前だと思うかもしれない。だが、そうではない。なぜなら、原則として「お笑いは大きすぎる会場には向かない」とされているからだ。

 数千人から数万人の規模の大会場で漫才やコントを演じると、音が反響して聞き取りにくくなるし、細かい表情や動きも見づらくなる。その状況では純粋にネタを楽しむのが難しい。

 そのため、お笑いライブが行われる会場は、数十人から数百人程度のキャパシティであることが多い。最大でも1000人前後が限界である。それはお笑い業界の人間やお笑いファンであれば誰でも知っていることだ。

 そうであるにもかかわらず、最近になって大規模なお笑いイベントが増えているのはなぜなのか。ここにはいくつかの理由が考えられる。

 最大の理由は、新型コロナウイルスの流行が落ち着いて、人々のライブへの需要が高まってきたことだ。マスク生活から解放されて、どこか外に出て思い切り笑って楽しみたい。大型お笑いイベントはそういう人たちの需要に応えているのではないか。

 もともとお笑いライブというのは、音楽のライブに比べるとややマイナーな文化だった。小さいライブハウスなどで行われることが多く、情報を集めるのも難しいため、どうしても熱心なファン以外には敷居が高いところがあった。