「離婚しようと思うねん」明石家さんまに相談したら…“たった5文字”の返答にグッときたPhoto:JIJI

吉本興業の「顔」だった大﨑洋さん(69)が、6月29日の株主総会をもって退社する。マネージャー、プロデューサー、社長、そして会長……。吉本での45年にわたる激動の日々を振り返った著書『居場所。(サンマーク出版)には、ダウンタウンら所属タレントとの深い絆や心の交流が綴られている。

7万部超えのヒットを記録している同書から、大﨑さんと明石家さんまさんの珠玉のエピソードを一部抜粋、再構成して掲載する。

「家族の絆」は永遠なのか?

 家族には2種類あって、ひとつは自分が生まれた家族です。

 これは選べないものですから、自分にとっていい家族になるか、そうでない家族になるかは運任せです。

「親ガチャ」なんてイヤな言葉でわざわざラベルを貼らなくても、経済状態から性格的なことまで、どんな親のもとに生まれてくるか、どんな子どもが生まれてくるかは、選べない。そんなことは、わかりきった話です。

 僕は平凡な家に生まれましたが、父と母と祖父母と姉という家族には、もちろん満足していました。でも、もう残っているのは僕の母親代わりのような姉だけですし、べつべつの家庭を築いています。「生まれた家族」は年月とともに変化していくんですね。

 いい家族でも、そうでない家族でも、「ずっと同じ」はあり得ませんから、家族が永遠の絆というのはやや違う気もします。

 そして、家族の種類のもうひとつは、自分がつくる家族。

 その大もととなるのが大抵の場合は夫婦で、友だちよりもつよい絆です。

「誰にも言えない社外秘」でも、「親友に打ち明けられた秘密」でも、夫や妻になら言っても許される、と考える人も珍しくありません。子どもが生まれたら、もっと絆はつよくなり、共同の大きな責任が生まれます。

 それなのに、離婚届にハンコをぽんと押した瞬間から、いきなりリセットで赤の他人になる。子どももやがて独立しますから、「ずっと同じ」ということはこちらもなさそうです。