吉本でお笑いコンビ「オオカミ少年」で活動する傍ら、探偵事務所の代表を務めている著者が、探偵仲間に聞いた話などから最新の特殊詐欺事情を紹介する後編。コンビニでバイトをする21歳女性の元にかかってきた不審な電話。電話の相手は、女性の弟から「姉ではなく女性としてしか見られなくなった」と相談されていると話したと言います。(探偵芸人 オオカミ少年・片岡正徳、登場人文はすべて仮名)
コンビニにかかってきた電話の
不審な点を整理してみると…
眠れずに朝までどうしたら良いのか考えてもまとまらなかったため、警察に相談に行ったところ「今の時点では事件性がないため警察としては動くことができない、電話には出ないことをお勧めします」とのことで、希美華さんの中では解決に至りませんでした。そして知り合いを通じて午前8時頃、私に連絡が来ました。
電話で内容を聞き取った後にいくつか疑問が浮かびました。
・コンビニの固定電話への着信
・勤務中にプライベートな話
・名前や年齢などの情報を希美華さんから引き出した
・担当者名を名乗らなかった
・電話番号の非通知
・「子ども生活センター」という団体がインターネットで検索してもヒットしない
このような疑問に加えて、一緒に住む弟が女性として見ているという、本人に事実確認しづらい点を突いてくる内容が、とてもうさんくさく感じました。
この時点で9時45分になるところで、10時にかかってくるであろう電話へ向けて、私はできる限りの対応策を考えました。
・団体名と担当者を明確に聞く
・念のため折り返すので電話番号を確認する
・翔さんからの相談日時と内容を具体的に聞く
・大事な問題なので、会話を録音することを伝える
・対面して話すことは可能か確認する
・この全てに納得のいく回答が聞けなければ話はできないと伝える
このような内容をまとめて、もし対応に困るようなら信頼できる相談相手として、私も会話に加わることにして、希美華さんとパソコンのWEB会議ツールでつなぎながら、10時を待ちました。
そして10時3分に希美華さんのスマホに非通知で電話がかかってきました。