30代で東証プライム上場企業の執行役員CDO(チーフ・デジタル・オフィサー)となった石戸亮氏が、初の著書『CDO思考 日本企業に革命を起こす行動と習慣』(ダイヤモンド社)で、デジタル人材の理想的なキャリアについて述べています。
デジタル人材は、ビジネスの現場でどのように求められているのか。
本当に需要のあるデジタル人材として成長するためには、どんなスキルを身につければいいのか。
デジタル人材を喉から手が出るほど欲している企業に迎え入れられ、そこで重用されるには、どんな行動を取ればいいのか。
本連載では、デジタル人材として成長するためのTo Doを紹介していきます。

【CDOの考え】若手社員が経営陣に近づく最も簡単な方法Photo: Adobe Stock

役員を「ランチ」に誘おう

 普段から鳥の目を養うには、自分が経営者や幹部ではなかったとしても、常に経営視点を持とうと心がけることが大切です。行きつけの店の手伝いはひとつの方法ですが、もっとてっとり早いのは、自分の会社でなるべく経営に近いポジションにいる人と「会話」することではないでしょうか。

 とはいえ特に大手企業においては、「自分の直属の上司以外とは話をしづらい雰囲気がある」、「役員と話すなんてとんでもない」というのをたまに聞きます。社則として明確に禁止されているわけではなくても、「課長を飛ばして部長と話すな」「他部署のマネージャーと話すな」という"雰囲気"を感じている人は実際に多いですし、役員と直接話す機会なんてほぼないかもしれません。
 そこはなんとか乗り越えてほしいところですが、あなたがもし新卒社員もしくは若手社員だったら、うってつけの方法があります。

 役員をランチに誘ってください。

 偉い人にいきなりアポを取って話を聞くのは、たしかに躊躇します。役員は忙しいので予定は過密でしょうし、時間を取れたとしても、会議室を予約して1on1で話を聞くのは……結構な冒険ですよね。
でも、ランチだったらもう少しハードルが下がります。

 ランチはどんな役員でも取るでしょうし、「勉強させてください」と言われて嫌な気持ちになる人なんてほとんどいないでしょう。1人で行くのが緊張するなら、若手3人くらいでアタックしてみるのも手。むしろ役員からすれば「若手に慕われている、頼られている」と感じて、まんざらでもないと思います。

 会社のこれからの方向性のようなことは、現場ではなかなか知ることができませんが、役員は毎日そういうことばかり考えています。「今、会社はどういう方向に向かおうとしているか」などは、意気揚々と語ってくれるでしょう。自分が所属する部署や事業部と異なる担当役員だと、また別のものが見えてきます。「君たちは営業だからわからないかもしれないけど、実は調達部門はいつもこんなことを考えているんだよ」なんて言葉も出てきます。デジタル人材として備えるべき鳥の目の視力が、どんどん上がっていきます。

 そもそも役員には、会社のことを透明性をもって社員に伝える責務もあるので、その意味では役員にとっても若手とのランチは意義深いもののはず。
 私は20代の頃、当時サイバーエージェントの人事部長だった曽山哲人さん(現在は同社の常務執行役員CHO)に、「ビジネスパーソンとして成長するためには、決断経験値を積むことが重要」と教えられました。と言っても大きな意思決定に限ったことではありません。その時、彼が例に出したのが、役員など幹部社員をランチに誘うことでした。

「大きな意思決定をすることだけが決断経験値じゃない。若い頃はちょっと職位が上の人に、どんどん声をかけるようにしてみて、それも決断経験値だよ」と。
 若いビジネスパーソンは、ぜひ明日から実践してみてください。

※本稿は『CDO思考 日本企業に革命を起こす行動と習慣』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

【訂正】記事初出時より以下のように修正しました。記事タイトル「【CDOの考え】若手社員が経営陣に近づく最も簡単な方法(実践できる人は出世する)」から(実践できる人は出世する)を削除し、「【CDOの考え】若手社員が経営陣に近づく最も簡単な方法」に。読者の皆様にお詫びいたします。(2024年3月22日18:30 書籍オンライン編集部)