30代で東証プライム上場企業の執行役員CDO(チーフ・デジタル・オフィサー)となった石戸亮氏が、初の著書『CDO思考 日本企業に革命を起こす行動と習慣』(ダイヤモンド社)で、デジタル人材の理想的なキャリアについて述べています。
デジタル人材は、ビジネスの現場でどのように求められているのか。
本当に需要のあるデジタル人材として成長するためには、どんなスキルを身につければいいのか。
デジタル人材を喉から手が出るほど欲している企業に迎え入れられ、そこで重用されるには、どんな行動を取ればいいのか。
本連載では、デジタル人材として成長するためのTo Doを紹介していきます。
最初の2週間が勝負
新規事業のターゲットのペインやニーズを2、3週間以内に具体化せよ、という社命が下ったら何をすべきかについて書いておきましょう。
②すべての通知をONにしてすべての投稿に目を通す
③ターゲットが何時に投稿したか、なぜ投稿したか、なぜその内容なのかを、考察しながら見る
④大丈夫そうな方にメッセージを送り、個別インタビューをさせていただく
⑤関連するYouTube動画を30本くらい見る。再生速度は1・5倍で
⑥ターゲットの仕事現場に行き、少し仕事に関わらせてもらい、リアルを見る
↑ここまでで約2週間。費用は無料
⑦ターゲットをある程度知った上で、「ビザスク」(*)で10名くらいにインタビューする
(*)スポットコンサルティングのマッチングプラットフォーム。特定のビジネス分野に詳しい在職者・退職者と、彼らの助言を聞きたい利用者を、謝礼を発生させてマッチングするサービス。
できる限り一次情報を取るようにすることが肝要です。まったくスマートなやり方ではありませんが、本気度と行動力があればどうにかなるはず。これを2週間くらいガッツリやれば──粗削りではありますが──仮説ではなく、それなりに確からしいことを話せるようになるはずです。
なお、⑦のインタビューを突然やる人がいますが、あまり得策ではありません。なぜなら、①~⑥をしっかりやってはじめて、問題解決に際して立てる仮説の解像度が上がるからです。低い解像度のままでインタビューをしても、「はあ、なるほど、はあ」で終わってしまい有益なコンサルティングは受けられません。一次情報が薄く、確証や自信がないと社内報告の際も「元どこそこの副社長の方がおっしゃっていた言葉ですが……」で終わってしまいます。
①~⑥を徹底して仮説の解像度を上げておけば、⑦のインタビュー時に質問力が上がる。限られた時間の中で「いい質問」をバンバン繰り出せるようになります。せっかくお金を払うのですから、無駄撃ちはしないようにしましょう。
※本稿は『CDO思考 日本企業に革命を起こす行動と習慣』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。