仕事ができるかどうかは、会食・食事会・イベントにおける「気づかい力」でわかる――
「本業とは一見関係のない仕事」は、社会人として逃れられない悩みの一つだ。「たかが雑務…」と捉えて適当にこなすと、クライアント・上司からの評価が大きく下がりかねない。
しかしこの一見、何の役にも立たなさそうな”貧乏くじ”に、実は「千載一遇のチャンス」が隠されていることを、見逃してはいないだろうか?
新刊『ビジネス会食 完全攻略マニュアル』では、”広告代理店卒・アルコールに弱い(1,2杯が限界)・非体育会系の著者”が、最大28会食/月を乗り越えて身につけた「実務に即したメソッド」を紹介している。
会食・社内飲み会・送別会・歓迎会など、古今東西すべての食事会で今日から使える本書。
今回は特別に、その中から「人に物を贈る時」に気をつけたいことについて紹介しよう――。
「手土産」と「プレゼント」は似て非なるもの
「手土産? 古くさい文化だな」と思われた方へ。手土産こそ「想像力の集大成」であり、相手に「あなたをどれだけ大切に考えているか」を伝える最強のツールである。
「手土産」でよくあるのが、「手土産」と「プレゼント」を混同されているケースだ。それらの違いについて説明しておきたい。
私は、これまでの経験をもとに「手土産」と「プレゼント」を独自に使い分けている。それぞれの定義は以下の通りだ。
●プレゼント:ゲスト本人に喜んでいただくための贈り物
差を意識することで、贈る物は当然変わる
実はこの差は、想像以上に大きい。
ここで一度、物を贈る相手のことを想像してみよう。まず、相手はどのような日常生活を送っているだろうか。
ゲストは基本的に、忙しい。朝から必死で働き、夜は家族との時間を大切にしたいのかもしれない。だとすると、ゲストは家族で過ごすべき貴重な時間を今日の会食のために割いてくれているのだ。
そのことを、私たちホストは決して忘れてはならない。だからこそ、貴重な時間をいただいてるお礼として家族に向けた手土産を渡すのだ。
この違いを意識することで、「何を贈るべきか」は変わる。たとえばホワイトデーのお返しも、当人に渡すのか、当人のご家族に渡すのかによって、選ぶものが変わる。「当人」と、当人の「ご家族・お子様」の好みは当然異なるからだ。
手土産は想像力の集大成だ
ゆえに、手土産は難しい。考えるべきはゲスト本人のことだけではないのだ。どういった家族構成で、今どのようなライフステージを歩んでいるのか。本人はどういったことに悩んでいそうで、この手土産を通じてどういった会話をしてほしいのか。相手の人生・家族にまで想像を巡らせて選定するのが手土産である。
なお、手土産は「ご家族に向けた贈り物」と伝えたが、実際、日本のすべてのビジネスパーソンが家族と円満なわけではないことは考慮しておこう。「手土産」にすべきか、「プレゼント」にすべきかはゲストの周辺情報を踏まえて判断したい。独身の方へはプレゼントが基本になる。
また、会食のゲストが昇進した、プロジェクトで大成功を収めた、もしくは異動が決まったなどの場合はプレゼントでもまったく問題はない。自分が判断に迷った場合は上司に情報を共有して判断を仰ごう。
(本記事は、『ビジネス会食 完全攻略マニュアル』の一部を抜粋・編集・加筆したものです)