国は実際に紛争が起きる前に銃弾や燃料を備蓄する。中国企業は半導体製造装置の部品の買いだめに余念がない。これは欧米や日本の業者に膨大な利益をもたらしていると同時に、不穏な兆候でもある。中国の買いだめで最近恩恵を受けているのは、チップ製造装置メーカーの東京エレクトロンだ。2週間ほど前の利益見通しの上方修正を受け、株価が20%上昇。2023年10-12月期(第3四半期)は中国からの売上高が前年同期比で倍増し、売上高全体の半分近くを占めた。昨年はメモリーチップ・メーカーをはじめとする世界の半導体企業が設備投資を控える中、中国の強い需要が他地域の不振を埋め合わせた。中国の税関データによると、23年の半導体装置輸入額は前年比14%増の約400億ドル(約6兆円)に達した。半導体業界団体SEMIは、23年の世界の半導体装置売上高が前年比6.1%減の1010億ドルだったと試算。昨年7月時点の予想の18.6%減から大きく上振れた。
中国が買い急ぐ半導体製造装置、メーカーにリスクも
西側のチップ製造装置メーカーが好調だが
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