ニューヨークに住むある男性に2020年、中国南部の深圳の警察から電話がかかってきた。警察はツイッター(現X)のあるアカウントについて男性が何か知っているかどうかを知りたがっていた。男性は中国西部の新疆ウイグル自治区で生まれた後、米国に移住していた。新疆では少数民族のウイグル族などが大量拘束などの人権侵害を受けている。この男性は米国に到着後、ウイグル族が直面する窮状について発言し始めた。電話を受けた当時、男性は自分がハッキングの標的にされていることに気付いていなかった。中国のあるサイバーセキュリティー企業から今月流出したとされる大量の文書には、男性に電話がかかってくる数週間前に当たる2020年3月の日付がある1件のチャットログが含まれている。チャットの中でこの企業の関係者は、ソーシャルメディアのアカウントに関わる多数の人物に関する情報収集について述べている。