ドイツ議会下院は先週、嗜好(しこう)用大麻の使用を合法化する法案を可決した。これは時宜にかなった動きだった。ドイツの指導者層は、世界が自国の思い通りにならない状況下で、心地よさを生むものなら何でも提供せざるを得なくなるだろう。ロシアのウクライナ侵攻と、次の支援策を巡る米国の機能不全は、自衛の必要があるドイツがその力を持っていないことを改めて実感させるものとなっている。紅海で起きていることもそうだ。紅海ではバイデン米政権が重要な航路を確保できず、ドイツの製造業者は海上輸送の遅延で対処を迫られている。ドイツが再三約束しながら達成できていない、国内総生産(GDP)比2%の国防費のことは忘れよう。ボリス・ピストリウス国防相は今月、新たな世界情勢の中でドイツはGDP比3.5%の国防支出が必要になるかもしれないと発言し、多くの関係者に衝撃を与えた。