自動車産業の中心地デトロイトの有力者たちは、この仕事はタフで利益が出にくいかもしれない、と米アップルに警告した。だが、生きた化石のような彼らの見解には誰も耳を傾けたがらなかった。  アップルは逆に、ソフトウエアとハードウエアを切れ目なく融合させ、時代錯誤の連中を置き去りにする自動車の新時代が到来しつつあるという、シリコンバレーのお祭り騒ぎに乗った。  結局、アップルにとって独自の自動車を製造することは、独自のテレビをつくるのと同じくらい難しかったということだろうか。