そうした中で、タスクフォースは13日、急きょ、それまでの方針を変更して、前原大臣や経営陣、取引先銀行などに今回の素案を提示した。実は、当初、タスクフォースは、再建案について、作成にあたっては経営陣の意見を聞かず、途中経過を経営陣に知らせることもせず、その一方で、タスクフォースがまとめたら3日以内に取締役会で決定すべきもの、などと位置づけていた。

 が、そうした取りまとめ手法は、あまりに独善的であり、現実離れしているとの批判が関係者の間で沸き起こった。それゆえ、やむを得ず、タスクフォースは対応を改めたらしい。

 とはいえ、その説明はかなり、お粗末なものだったようだ。経営陣への説明を例にとると、「タスクフォースは素案を記した書面すら出さず、スライドを使って説明しただけ。しかも、数字がわざわざ伏せてあり、口頭で言及しただけだった」(JAL関係者)というのだ。そこまでして、証拠を残したくなかったらしい。

タスクフォースの5人を
執行役にするとの要求

 それでは、肝心の中身について触れていこう。一般的に、こうした再建策では、(1)ビジネスモデル(事業の採算性)の見直し、(2)経営(ガバナンス)の再構築、(3)財務(資金繰りとバランスシート)の健全化――の3要素が不可欠だ。

 こうした視点で見ると、まず驚かされるのが、(1)なのだ。というのも、今回の素案は、先に、前原大臣が「不十分」と決めつけたはずの西松案をほぼ丸呑みする内容にとどまっているからだ。赤字路線の縮小や、貨物・リゾート路線の分離・別会社化・提携といった施策について、JAL経営陣への説明の席で、口頭ながら「よくできている」と褒める場面まであったという。

 次に、ガバナンスについては、西松社長に経営責任をとって辞任するように求めたのが最大のポイントだ。西松社長の退陣は当然のことで、むしろ、遅過ぎたぐらいだろう。

 とはいえ、そのうえで、タスクフォースのメンバー5人を執行役にするように要求していることには留意すべきではないだろうか。その一方で、外部から大物CEO(経営最高責任者)を招へいする方針と、JAL内部から40歳代のCOO(経営執行責任者)を登用する方針を打ち出しているのだが、その実施を来年1月まで先送りすることにしているからである。要するに、タスクフォースが権力を掌握して、その間に強引に再建を進めるというのである。

 さらに、来年1月以降については、タスクフォースのサブリーダーで、実質ナンバーワンと言われる冨山氏がCEOに昇格する案が有力であり、そのために、年齢的に冨山氏でも御しやすいよう登用するJAL出身COOを40歳代にするのだとの解説もあるという。