
町田 徹
第122回
「地球温暖化防止法案」の今国会成立を目指して政府・与党はアクセルを踏み込み始めた。世界はポスト京都議定書の枠組み作りの意欲を失っている。にもかかわらず、日本だけが軌道修正をできないと、経済は深刻な打撃を蒙りそうだ。

第121回
主要な閣僚たちが相次いで、目玉政策での失敗隠しやお手柄作りに全力疾走を開始した。一歩間違えば、主要大臣たちの果敢な取り組みも、ポスト鳩山を睨んだ後継首相レースへ向けた実績作りに変容しかねない要素が小さくない。

第120回
衆議院で2つの公務員制度改革法案の審議が始まった。骨抜きの政府案と対象的なのが、野党となった自民党の国家公務員法改正案である。なぜ両法案の間に、これほど大きなコントラストが生まれたのだろうか。

第119回
米国のブロードバンド大国化計画がついにベールを脱いだ。この分野で先進国の地位にある日本や韓国を追い越し、通信インフラレベルでの米国の国際競争力を回復しようという意図も露骨になっている。

第118回
郵政改革を巡って、鳩山由紀夫内閣が真っ二つに割れた。鳩山内閣の空中分解を避けたいならば、亀井大臣は早急に、選挙対策のための国策会社作りと見紛うような杜撰な改革案を自ら白紙撤回すべきだろう。

第117回
今年の中国全人代は、世界第2位の経済大国の座を目前にしながら、大国としての責任を果たそうとしない中国政府の「人民元」を巡るエゴイズムを剥き出しにした。これに収まらないのは米国だ。

第116回
NTTグループ分離分割論議には冷ややかな政治家とみられてきた原口総務大臣が、「NTTの経営形態」見直し論議を伴う、光ファイバー網の全国整備を加速する「光の道構想」のとりまとめを指示した。

第115回
賛否の立場を超えて、政府の「地球温暖化対策基本法案」の策定姿勢に対する不安と不満が広がり始めた。政府の資料を見る限り、わが国が主体的に目指す目標のない“欠陥法案”らしい。

第114回
日本経済新聞社が電子版(Web刊)を3月23日付で創刊すると発表した。もともと情報にカネを払う習慣が乏しいとされる日本の国民に、カネを払ってでも入手したいと思うような情報を提供することができるか。

第113回
郵政改革の基本法案作りが難航している。事実上の国営回帰を目指す一部の「守旧派」が政府・与党内を跋扈しており、かく乱要因になっているからだ。郵政事業は「政治・政争の具」の立場から抜け出せていない。

第112回
日本航空は米デルタ航空が盟主の座にある航空会社連合スカイチームへの参加を断念し、引き続きアメリカン航空との提携関係維持を発表した。稲盛会長が決断を下した背景に、どういう事情があったのだろうか。

第111回
オバマ大統領が法制化の方針を表明した金融機関規制案が世界的な批判の対象になっている。筆者も、最善の方策だとは思わない。しかし、ボルカールールを政治的なポピュリズムの産物とみなすのは間違いである。

第110回
ウィルコムが会社更生法を申請し、日本航空の再生支援で一躍有名になった「企業再生支援機構」の支援を受けようとしているとの報道が1月27日の新聞各紙を賑わせた。

第109回
JALの日本最初のプレパッケージ型の再生支援がスタートした19日夜、立役者であるはずの前原国土交通大臣に対する「失笑の輪」が、永田町、霞が関、そして経済界に静かに、しかし、あっという間に広がった。

第108回
最終的に事前調整型の法的整理を目指した日本航空の再建策は、米GMの例とは似ても似つかない泥縄方式に陥った。原因は前原国交相の未熟さと、法的整理をゴールと履き違えた企業再生支援機構幹部の素人ぶりにある。

第107回
鳩山由紀夫首相は「輝きのある日本へ」と副題を付けた、夢と期待が膨らみそうな「新成長戦略」を公表した。まことに野心的な国家戦略だが、果たして、本当に実現するのだろうか。

第106回
政権の発足から24日でちょうど100日が経過し、鳩山内閣の弱点が鮮明になってきた。首相だけでなく、主要閣僚が、様々な重要案件で指導力と決断力を発揮できない状態に陥っている。永田町や霞が関では、このままいくと「鳩山内閣は来年早々にも存続の危機に瀕しかねない」と懸念する声が強まっている。

第105回
鳩山由紀夫内閣は国家予算に関して、将来に重いツケを回す閣議決定を行った。日本の財政史上これほどの愚策を過去に捜すのは難しいのではないか。将来を担う世代が疲弊し、日本の将来まで押し潰してしまう。

第104回
地球温暖化対策を話し合う「COP15」で、米国と中国の2大排出国を始め諸外国は相変わらず、十分な削減目標を打ち出そうとしない。早々と野心的な目標を打ち出してしまった鳩山内閣は国益を守れるのか。

第103回
「ドバイワールド」の信用不安をきっかけにした世界的混乱は、欧州の金融機関が不良債権処理で、米国勢に比べて大きく遅れていることを裏付けた。世界経済が二番底に向かっていることへの警鐘だというのである。
