もし今年初めに米半導体大手エヌビディアの株に1000ドル(約15万円)を投資していたら、今頃その価値は7500万ドル(約113億円)を超えていただろう。これはもちろん冗談だが、エヌビディア株を保有していない人は、そんなふうに感じるかもしれない。2024年に入ってからのS&P500種指数の上昇分の28%近くは、人工知能(AI)ブームの最前線にいる同社1社の驚異的な上昇によってもたらされている。エヌビディア株は(年初来の)9週間で59%値上がりしている。昨年は239%上昇した。「エヌビディア・モーメント」と呼んでいいかもしれない現状では取り残されたと感じやすいため、物事を大局的な視点から見ることは極めて重要だ。こうした状況は前例のないことではないし、株価はバブル状態にはない。自分を責めたり、動きの速い市場に追い付くためにリスクを積み重ねたりしても、決してハッピーエンドにはならない。