ブラック企業に勤めながら、貯金0円から1億円を貯めた男の生活とは!?「給料が全部貯まっていくんです」と語り、独特の節約生活がSNSで大バズり! テレビ朝日、TBSなど、各種メディアや韓国や台湾、中国、タイ、ベトナムなど海外でも話題になったのが、絶対仕事辞めるマン氏だ。同氏の蓄財の道のりや、節約生活のすべてを明かした初の著書『1億円の貯め方 貯金0円から億り人になった「超」節約生活』が刊行される。節約生活のきっかけから、貯金の過程や具体的な節約テクニックまで、究極の節約思考とその実践法を丁寧に解説した1冊だ。今回はその刊行を記念し、内容の一部を紹介する。

1億円の貯め方Photo: Adobe Stock

貯金の最強の使い道は「精神安定剤」

 貯金は、いくらあれば安心なのでしょうか。

 私は「いくらあっても完全に安心することはない」と考えています。資産がまったくない状態から、これまで20年以上かけて1億円を貯めてきました。コツコツと

 しかし、「これで絶対に安心か?」と聞かれたら、答えは「ノー」です。SNSを見ていても、総資産数億円クラスの大金持ちも何やら毎日お金に悩んでいるご様子。

 では、いくらあれば心持ちを変えることができるのでしょうか。私の場合、貯金0円から1億円までの過程で、明確に貯金による安心感が現れたのは、1000万円くらいのときでした。

まずは「1000万円」。これで心は軽くなる

 25歳のとき、貯金はゼロでした。超ブラック企業で毎日15時間も働かされ、心身ともにボロボロ。さらに、時は就職氷河期。転職もできず逃げ場もありませんでした。

 いきなり暗い話になってしまうのですが、ブラック職場で精神が追い詰められてくると、人間はよくないことを考えるものです。「ぶっちゃけ、死んで楽になりたい」と。

 ここまで追い詰められる方はそう多くないと思いますが、日々の仕事への不満は誰しもありますよね。「もう辞めたい!」「でも生活があるし......。辞められない......」といったことは、一度は考えると思います。

 この「辞められない......」が「辞めちゃおうかな......!」に変わるライン。それが私のケースではおよそ1000万円という金額でした。

 実際、これはかなりの大金です。どれだけがんばって貯金しても、何年もかかります。ということは逆に、使い込んでも数年は持つお金です。一般家庭なら、2~3年間は無収入で暮らせるでしょう。一生懸命節約すれば、5年以上は大丈夫かもしれません。

 もちろん1000万円ではFIREは不可能で、「これで人生アガリ」というわけにはいきません。ですが、2~3年間は無収入で暮らせる、という状態はかなり絶妙です。3年後には何かが好転しているかもしれないし、数年間のニート生活は楽しそうです。これが数か月だとそうはいきません。

人生の「緊急脱出ゲート」を確保!

 先ほど「死んで楽になりたい」などと物騒な心理状態を書きましたが、これがおおむね消えたのがこの1000万円、もとい「2~3年は絶対何とかなる」という状態を達成したときでした。1000万円の貯金が非常時の緊急脱出ゲートのような役割を果たすようになりました。

 人によっては300万円でも、500万円でも構いません。とにかく「数年間何とかなる」というのは、お金で買えない価値があります。ですから、まずはとにかくこの状態までお金を貯めれば、心は間違いなくラクになります。

(本稿は、『1億円の貯め方 貯金0円から億り人になった「超」節約生活』を抜粋、再構成したものです)