子どもの利益を守るための権利
「親権」には2つの要素がある

◆親権は子どものための権利

 親権とは、成年に達しない子どもの利益を守るための権利であり、次の2つの要素があります。
(1)身上監護権…子どもの世話、教育、しつけをする権利。子どもが職業に就くときに許可を与える権利。
(2)財産管理権…子どもの財産を管理したり、子どもに代わって契約や手続きをしたりする権利。

◆親権者を必ず決める

 親権を持つ人を親権者といいます。婚姻中は、親権者は子どもの父母の両方です。しかし、離婚する場合は、父母のどちらかが親権を取ることになり、親権者を決めなければ離婚することはできません。離婚届を提出する際も、親権者の記載がないと受け付けてもらえません。複数の子どもがいる場合は、一人ひとりの子どもの親権者を決めることになります。

◆親権者、監護者とは

 一般的には、親権者が身上監護権と財産管理権の両方を持つことになります。しかし、親権者が財産管理権だけを持ち、もう一方の親が身上監護権を持って監護者として子どもを育てることも可能です。監護者は、子どもと一緒に暮らし、世話をすることができます。ただし、親権者と監護者を分けるのは、親権争いが長引いてなかなか解決できない場合などに限られ、あまり多くはありません。

 なお、親権者にはならなくても、離婚してからも子どもに会う権利はあり、扶養する義務を負うことにもなります。