日本でも導入が検討されている
共同親権

◆海外では共同親権が主流

 親権には、父母のどちらかが親権を持つ単独親権と、父母がともに親権を持つ共同親権があります。現在の日本では、父母が離婚した場合は単独親権しか認められていませんが、海外では共同親権を認めている国が多く、日本でも導入が検討されています。

◆共同親権のメリット・デメリット

 共同親権のメリットは、別居している親が子育てに関わりやすくなることです。単独親権の場合、親権を失った親は子育てに関わりにくく、子どもとの交流が途絶えるケースも少なくありません。共同親権であれば、父母が協力して子育てをすることになるので、面会交流や養育費の確保が期待できます。子どもにとっても、離婚した父母の両方と関係を持ち続けられることは、心身の成長によい影響を与えるとされています。

 一方、デメリットは、DV(ドメスティックバイオレンス)や児童虐待があっても逃れられない恐れがあることです。共同親権では、子どもの住む場所、教育、医療などの重要事項は、父母が話し合って決める必要があるので、DVや虐待の被害者であっても、加害者との関係を完全に断つことができないのです。

 日本では、共同親権についての議論が続いており、導入が決まっているわけではありません。メリットとデメリットの両方を考慮しながら、子どもの利益を最優先したうえで、父母の両方が適切な形で子育てに関われる制度にすることが求められています。