生きていて、「人生って、もっと何かあるものではないのかな」と思うことはないだろうか? 若いときもそうだが、とくに歳を重ね、段々と先が見えてくると、人生を十分に味わえていないのではないかという焦りを覚える人も少なくないのではないか。ジェームズ・ベイリー著『人生の意味――世界のあらゆる一流に教えてもらった105の答え』より、元スタントパフォーマーと、とある作家の「人生の意味」についての見解を紹介したい。(ダイヤモンド社書籍編集局・三浦岳)

人生を「フルコースで味わう」ためにすべきこと・ベスト1Photo: Adobe Stock

目の前の「木」に気づけ

 スタントの事故で重傷を負い、下半身不随となりながらも「生きている奇跡」を日々噛みしめる元スタントパフォーマーのジョナサン・グッドウィンは、「人生の意味」を追い求めることの盲点を次のように指摘している。

 私にとっては、人生に意味を求めることは(中略)貴重な時間の無駄です。
 まるで、美しい森の中にいるのに、「木」と呼ばれるものを探すのに必死で、まわりのすばらしい景色に気づかないようなものです。
 私が意味を探すのをやめて、このすばらしい世界に存在するだけで満足した瞬間こそ、初めて自分が何者なのかを本当に理解できた瞬間でした。――『人生の意味』より

 森の中で「木」という概念を探し回る者は、目の前の美しい景色に気づけない。

 人生も同じだ。

 あるかないかわからない「人生の意味」なるものを追い求めることに振り回されていると、「いまここに存在している」という奇跡が見えなくなってしまう。

「幸せのリスト」を持つ

 では、人生をより豊かに味わうにはどうすればよいのか。そのヒントを示してくれるのが、作家のモニカ・ハイジーである。彼女は自分なりの幸せのリストを持つことの大切さをこう語っている。

 幸せについては、私よりずっと賢い人たちが、幸せよりも充足を求めることの大切さを説いていて、私もその通りだと思います。
 そうは言っても、たしかな幸せをくれるものはいくつもあって、それらを味わう機会を増やすことに大きな充足を感じているの。
 友人の笑い声や、バーでの読書、信じられないほどスタイルよく見えるデニム、楽しい噂話、朝のセックス、軽い二日酔いの朝のコーヒーと散歩、安全な日陰で楽しむ晴れた日、トウモロコシパン、猫、新しいことに挑戦してうまくできないときのワクワク感、
(その一例としての)ボクシング、3~5時間かけて丁寧にソースをつくること。
 もちろんほかにもあるし、リストはどんどん増えています。そして、それらを把握しておくことが大事だと感じています。
 幸せとはきっと、何が自分にとって意味があるのかを知って、それに取り組むことなのね。――同書より

 友人の笑い声でも、朝のコーヒーでも、丁寧にソースをつくる時間でもいい。自分に「たしかな幸せ」をもたらすものを知り、それを味わう機会を増やしていく。その積み重ねによって、人生は「日々深く味わうもの」へと変わっていく。

 人生を十分に味わうとは、「いま、ここに存在すること」を受け入れ、自分を満たしてくれるささやかな喜びを見つけ、それを大切に積み重ねていくことなのだ。