父、母、どちらがなる?
親権者を決める基準

◆普段子育てをしている親を優先

 親権者を父母のどちらにするかは話し合いで自由に決めることができますが、決着がつかない場合は家庭裁判所に調停を申し立てます。調停が不成立になった場合は離婚裁判となり、裁判官が判断を下すことになります。

 調停や裁判で親権を決めるにあたり最も重要視されるのは、日常的にどちらが主に子どもの世話をしているかということです。子どもが安心して暮らすには、現状を維持するのが望ましいため、普段から子どもと暮らし、面倒をみている親が優先されます。

◆幼いほど母親が有利

 子どもの年齢も、親権者を判断する大切な要素です。胎児の場合は原則として母親が親権者になり、10歳以下の場合も母親が親権者になることが多いです。理由は、この年齢では母親が主に子どもの世話をしており、子どもとの絆が密接であることが多いからです。離婚の原因をつくったのが母親であっても、子どもに愛情を注ぎ、食事や排泄などの世話や保育施設の送り迎えなどの育児をしていれば母親が優先される傾向にあります。

◆親権者は状況によって変更できる

 一度決めた親権者を簡単に変更することはできません。ただし、親権者の死亡、病気、虐待、育児放棄などの理由によって子どもの生活環境が悪化し、十分な愛情を得られない場合は親権者を変更できます。その際は、家庭裁判所に親権者変更の調停または審判を申し立てます。