「お疲れ様です」「リマインドです」気が利く風メールが職場のムダを生み出すワケ会議のすべてにリマインドメールを送るのは、送信側にとっても受信側にとっても時間のムダだ。さらに「承知しました!」の嵐により、他の重要なメールが埋もれてしまいかねない(写真はイメージです) Photo:PIXTA
*本記事は本の要約サイト flier(フライヤー)からの転載です。

おすすめポイント

「ああ、こんな作業、時間のムダなのに」「この作業さえなければ、もっと成果を上げられるはず」

 あなたは一日のうち、こんなふうにため息をつく瞬間が何度あるだろうか。きっと多くのビジネスパーソンは、一日に何度も何度も「ムダ」に腹を立てているのではないかと思う。

『無くせる会社のムダ作業100個まとめてみた』書影『無くせる会社のムダ作業100個まとめてみた』 元山文菜著 クロスメディア・パブリッシング刊 1738円(税込)

 本書はそんな「ムダ」を100個挙げ、業務のムダ・管理のムダ・共有のムダ・処理のムダ・コミュニケーションのムダ・会議のムダ・組織のムダの7つに分類して、一つひとつの解決策を教えてくれる一冊だ。

 100のムダのうちの一つ、「きまぐれ上司のご機嫌取り」を紹介しよう。これは、案件の前提条件や経緯を理解しないまま思い付きで質問してくる上司への対応のことだ。こうした上司はいくら説明されても理解できず、むしろ「君の説明が悪い」と怒り出すことさえある――と著者は書いている。

 こうした上司への対応策として指南されるのは、5つのポイントを意識した「戦略的説明」だ。前提をすり合わせる、範囲を見せる、たとえ話をする、スピードを意識する、量を意識する、の5つを押さえて質問すれば、上司を納得させられるという。「なぜこちらが歩み寄らなければならないのだ」とモヤッとする人もいるかもしれないが、相手を変えるのは難しいから、諦めて自分が変わるしかない。

 100個の「ムダ作業」のうち、どれも経験したことのない幸運な人はほとんどいないだろう。少しでも快適に仕事をするために、ぜひチェックしてほしい一冊だ。(庄子 結)