「30歳になった人しかわからないことは?」に対する切なすぎる回答は…。
そう語るのは、これまでX(旧Twitter)上で8年間365日、毎日欠かさず大喜利のお題を出題し、累計で200万以上の回答を見てきた「坊主」氏だ。いまや空前の「大喜利ブーム」。大喜利のように「斜め上の発想を出す」というスキルは、「面接での一言」「LINEでのうまい返し」「意中の相手を口説く言葉」「新企画のアイデア」などに使える“万能スキル”でもある。そんな大喜利について、世界で初めて思考法をまとめた話題の著書『大喜利の考え方』では、「どうすれば面白い発想が出てくるのか」「どんな角度で物事を見ればいいのか」などを超わかりやすく伝えてくれている。まさに「面白い人の頭の中」が丸わかり。そこで、この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、大喜利的な思考法を詳しく解説する。(構成/種岡 健)

「30歳になった人しかわからないことは?」に対する切なすぎる回答・ベスト1Photo: Adobe Stock

あえて仰々しい言葉を使う

 伝え方において、「語彙力」は大事です。

 同じことを言っていても、語彙力の差でウケ具合は変わります

 たとえば、喫茶店で隣の席に、マッチングアプリで初めて会った二人がいるとしましょう。
 言葉を選んで探り探りの会話をしています。
 その光景を見て、「お互いが遠慮していますね」と言うより、

「おっと、二人の『心理戦』になっていますね」

 と言ったほうが面白い。このニュアンスがわかりますかね。
「心理戦」というような、あえて大袈裟な言葉を使うと、面白い雰囲気が出ます。
 本人たちから、「心理戦なんて言いすぎですよ!」と訂正されるくらいが、ちょうど面白いんですよね。

ゲーム的な語彙を使う

 感覚的ではありますが、「仰々しい語彙」に言い換えてみましょう。
 ゲーム的で、戦争やスポーツに使うような語彙が役に立ちます。

「デザートの取り合いですね」→「スイーツ大戦争ですね」
「妻にお願いされました」→「妻からルールが発動されました」
「みんなが応援してくれました」→「あれが私の支持母体です」
「僕より優秀ですね」→「僕の上位互換だ……」

 いかがでしょうか。おそらく大袈裟なほど面白さが出ていると思います。
 このように仰々しい言葉を使った、いい例を見てみましょう。

〈お題〉
「30歳になった人しかわからないことは?」選手権

〈回答〉
 結婚してるか、出世してるか、家でも建ててないと、
 親戚どうしの集まりで人権を失う

 ここでのポイントは、ラストの「人権を失う」という言い方です。
 ここが笑いどころになります。

 ためしに、最後を「居場所がない」「後ろめたい」と言い換えてみてください。
 きっと、笑いは少なくなるはずです。語気を強めて最後に「人権を失う」と言う

 笑いにおける「フリとオチ」と同じで、後ろにいくほど重きを置くのがポイントです
 最初から仰々しい言葉を入れすぎると、効果は薄くなります。

 ぜひ、ここぞというときに取り入れてみてください。

(本稿は、『大喜利の考え方』から一部抜粋した内容です。)

「30歳になった人しかわからないことは?」に対する切なすぎる回答・ベスト1坊主(ぼうず)ポケモンGOのやりすぎで坊主バーをクビになった僧侶
日本一の大喜利アカウント
X(旧Twitter)は、2024年1月現在で190万フォロワーを突破。元々、「2ちゃんねる」が大好きで、「匿名で面白い回答をする人がたくさんいる!」ということに衝撃を受け、Xでお題を出し続ける。これまで8年間365日、毎日欠かさず大喜利のお題を出題。累計で2万以上のお題を出し、数百万以上の回答を見てきた。昼は僧侶として働く、正真正銘の「お坊さん」でもある。また、都内に「虚無僧バー」「スジャータ」というBARを2軒経営しており、誰でも1日店長ができる店として、さまざまな有名人やインフルエンサーなどに店長を任せている。BARの名前の由来も仏教からとられている。『大喜利の考え方』(ダイヤモンド社)が初の著書。