2050年に市町村の半分は人口減少「36%以上」?地域の消滅を避ける鍵は「所得」Photo:PIXTA

総人口、ピーク時から400万人減少
出生数は8年連続で過去最少更新

 日本の総人口は、2008年をピークにして足元までに約400万人減った。400万人とはちょっとした県の二つ~三つ分に相当する。

 2月27日に発表された「人口動態統計速報」(厚生労働省)によると、23年の出生数は75万8631人と前年より4万人余り減って、調査が始まった1899年以降の過去最少を8年連続で更新。出生数から死亡数を差し引いた自然増減数は▲83万1872人に達した。

 また「日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)」(2023年12月公表、将来推計人口)によると、このままでは2050年には全国の自治体の半数で人口が36%以上減るということになっている。

 ただ、将来推計人口は現状を出発点にさまざまな仮定を将来にあてはめたもので、いま人口が減っているからといって永久に減り続けるものではなく、また人口減少は全国一律に進むわけではない。

 出生率や出生数には地域差があり、人々は就学や就業などの機会を求めて住む場所を移動するからだ。変化し続ける人口の分布の鍵を握るのは、それぞれの地域の所得の水準や伸びだ。

 十分な所得があれば結婚や理想に近い子育てができるし、人々はより高い報酬の仕事を求めて移動する。

 人口問題を克服するためには、自治体が所得を生みだす民間ビジネスを地域に根付かせ、地域の所得を高めることにフォーカスすべきだ。