シンプルなテストで発見される不正の数々

 GRIMテストは、この論理をより大規模なサンプルに適用する。たとえば、20人の参加者が対象を0~10の整数で評価した場合、平均が3・08になることはあり得ない。20で割るときに、小数点以下は「・05」刻みにしかならないからだ。3・00や3・10、3・15になることはあるが、3・08はあり得ない。ブラウンとヘザーズは、出版されている心理学の論文から71本を選んでGRIMテストをおこなった。

すると、半分の論文が少なくとも1つのあり得ない数値を報告しており、20%に複数のあり得ない数値が含まれていた。スタットチェックと同じように、GRIMテストで発見された誤りには無害な理由によるものもあるが、さらに詳しい調査が必要だという警告なのだ。

(本稿は、『Science Fictions あなたが知らない科学の真実』の一部を抜粋・編集したものです)