ジョー・バイデン米大統領は時に、あたかも大統領選挙の対抗馬がドナルド・トランプ氏ではなく(石油王で富豪だった)ジョン・D・ロックフェラーであるかのような発言をする。バイデン氏は3月上旬の一般教書演説で、「製薬大手」「大手家主」「企業最大手」が、「シュリンクフレーション(ステルス値上げ)」「価格つり上げ」「欺瞞(ぎまん)的価格設定」「法外な価格」「価格操作」によって、「利益を膨らませ」ていると非難した。インフレは言うまでもなく、需給や金融・財政政策によって左右されるマクロ経済現象だ。そこにはバイデン氏自身の支出も含まれる。だが、誇張表現をそぎ落としてみると、バイデン氏の非難には検証が必要な事実に関わる要因が含まれている。
企業の値上げと増益、無関係ではないが
バイデン氏が何と言おうと、ステルス値上げや企業の寡占は恐らく要因ではない
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