コロナ対策終了で香港政府が始めた
「ハロー香港」キャンペーンもオワコン?

 だが、香港政府は2022年末に厳しい出入境制限を続けていたコロナ対策終了を宣言すると同時に、李家超・行政長官が先頭に立って「ハロー香港」と銘打ち、観光客や外資企業の誘致キャンペーンを仕掛けてきた。その「ハロー」に向かって「オワコン」などと返されれば、そりゃあ腹も立つ。香港政府内で「海外向け宣伝隊」の異名を取る葉劉淑儀(レジーナ・イプ)議員が、真っ先にローチ氏にかみついた。

「ローチ氏は香港を離れてからもうしばらくたつはずよ。最近の香港のにぎわいぶりを見てから言ってほしいわね」

 これに対しローチ氏はブログで、自分が2023年に3回香港を訪れたこと、そして寄稿文はそのときにさまざまな人と会い――旧知の一部はすでに香港を去っており会えなかったと述べ――香港についてさまざまに意見を交換した上で書いたものだと反論。実際に氏がその3回で公開イベントに出席していたことも証明された。

 葉劉議員はそれでも納得がいかなかったようで、今度は中国の英字紙上で「ローチ氏は典型的なビジネスマン。香港でお金が稼げなくなったから香港をたたいているだけ」と非難。これに対して現在米エール大学で教鞭をとっている同氏は、「なぜ彼女はわたしにこんなに執着するんだ? わたしはもう10年以上も前にビジネスの世界を離れているのに」と、X(旧Twitter)で切り返した。