米電気自動車(EV)メーカーのテスラは、これまでおおむね広告に背を向けてきた。だが最近は、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が所有するXにとどまらず、さまざまなメディアへの広告支出を増やしている。Xのほか、米メタ・プラットフォームズが運営するフェイスブックやインスタグラムなどのソーシャルメディアにテスラが出したある動画広告は、Cars.comのランキングを引用し、テスラ車「モデルY」が「最も米国製の車」だと宣伝している。テスラの製品が十分に優れていれば広告は不要だとマスク氏が長年考えてきたことを踏まえると、これは驚くべき方針転換だ。同氏は「広告は嫌いだ」と2019年にツイートしていた。新興企業から誰もが名前を知るまでに成長したグーグルやアップルなどのテック企業と同様、テスラは長年、ブランドの認知度向上を新し物好きやシリコンバレーの技術者の口コミ、さらにはマスク氏の知名度に頼ってきた。だが最近の決算報告書によると、メディアへの露出が主な販売促進力になっている。