ジャネット・イエレン氏は初めて中国を訪れた時、感銘を受けた。  当時クリントン米政権で大統領経済諮問委員会(CEA)委員長を務めていたイエレン氏は、欧米式の市場改革に支えられた経済成長を目の当たりにした。成長によって多くの人が貧困から抜け出した。1998年のビル・クリントン大統領の訪中に先立ち、イエレン氏は両国関係をより緊密なものにしたいと考えた。  イエレン氏は今週、バイデン政権の財務長官として中国を訪問するが、当時の楽観は警戒感に変わっている。中国製の安価なクリーンエネルギー関連製品が出回って各国で価格下落を招き、同分野の国内産業育成を図る米国の取り組みに水を差している。