米金融大手ゴールドマン・サックスのシャーミン・モサバルラマニ氏は数年前、デジタル通貨を強く否定する理由を暗号資産(仮想通貨)の熱烈な支持者に聞かれた。彼女は自らの立場を正当化するのに慣れていた。過去23年間、ゴールドマンのウェルスマネジメント部門の最高投資責任者(CIO)として、数千人もの資産アドバイザーや顧客、トレーダーを指導し、テレビにも定期的に出演しているからだ。冒頭の質問は、仮想通貨を所有しているというゴールドマンのインターンから受けたものだ。モサバルラマニ氏はこれに対し、仮想通貨への投資は投機の手段に過ぎないと断じた。「その価値を考えたことがあるか」。モサバルラマニ氏は2022年夏にそう尋ねたという。「どの時点で(投資から)降りるのか考えたことはあるのか」