【これって使える?】「今すぐおしっこに行くべき」か「我慢するべきか」教えてくれるアプリが登場膀胱の機能が低下した患者に取って、画期的な解決策になりそうだ Photo:123RF

アプリを通じて蓄尿量が分かる膀胱デバイスを開発

 疾患に関連した尿失禁に悩まされている人の中には、帰宅するまでトイレに行くのを我慢できるのか、それとも今すぐトイレに行くべきなのかの判断が難しい人もいる。そのような人に役立つデバイスとスマートフォン(以下、スマホ)のアプリの開発に関する研究成果が報告された。膀胱用のインプラントデバイスとスマホのアプリにより、膀胱内の蓄尿量をリアルタイムで追跡できるのだという。

 米ノースウェスタン大学生体医工学分野のGuillermo Ameer氏らによるこの研究結果は、「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」に3月28日掲載された。Ameer氏は、「このアプリとデバイスは、疾患などが原因で膀胱の機能が低下し、トイレに行きたいのかどうかが判然としない患者にとって、画期的な解決策になるだろう」と述べている。

 Ameer氏は、「手術や二分脊椎などの疾患により膀胱の神経がダメージを受けると、膀胱が満杯であることを感知できないことがよくある。このような患者に対しては、しばしばカテーテルを使って膀胱から尿を排出させるが、この処置は患者に不快感をもたらすだけでなく、痛みを伴う感染症に罹患するリスクも高める。

 われわれは、病院や臨床の場で行う必要がある、このような侵襲性が高く、非常に不快な現行の膀胱機能モニタリング手順を回避したいと考えた」と研究背景を説明している。