卵を摂取するほど、抑うつのリスク低下と関連
400人以上の従業員を対象として、日常的に摂取している食品の中から抑うつと関連する食品群を調べる研究が行われた。
その結果、卵類の摂取量が多いほど、抑うつのリスク低下と関連することが明らかとなった。また女性では、抑うつと野菜の摂取量との関連も見られた。山形県立米沢栄養大学健康栄養学科および山形大学大学院医学系研究科の北林蒔子氏らによる研究であり、「BMC Nutrition」に1月30日掲載された。
抑うつと栄養素の関係については、これまでにn-3系多価不飽和脂肪酸、マグネシウム、鉄、亜鉛、ビタミンD、ビタミンB12、葉酸などに関する報告がある。ただ、抑うつの予防には、日常的に摂取する食品や食事パターンを調査することも重要だ。野菜や果物、魚介類、乳製品などに関する研究はあるものの、その数は少なく、特に日本人を対象とする研究は限られていた。
そこで著者らは、2020年10月から11月に、山形県米沢市役所の従業員を対象とする横断研究を実施。過去1カ月間の食事内容を「簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ)」で尋ね、各食品の摂取量を調査した。
また、15種類の食品群(穀類、いも類、砂糖類、豆類、緑黄色野菜、その他の野菜、全野菜類、果物、魚介類、肉類、卵類、乳製品、油脂類、菓子類、嗜好飲料)の摂取量(g)を算出した。抑うつの評価には自己評価尺度の「CES-D」を用い、16点以上を「抑うつあり」と判定した。