圧倒的に面白い」「共感と刺激の連続」「仕組み化がすごい」と話題の『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』著者・森武司氏は、2005年の創業以来、18年連続増収増益を達成し、年商146億円となった。ここまで会社を成長させてきた秘密は何か? 本書からより深い学びを得ようと、インタビュー企画を実施。今回インタビューするのは、FIDIA役員の橋本雄一氏。橋本氏はCRO(チーフ・リレーションシップ・オフィサー)というFIDIA独自の役職で、事業拡大に大きく貢献した。今回は本書に登場した橋本氏が「書籍では触れられなかった面白エピソード」を初公開する。

新卒がスリランカの国会議事堂で突如講演した驚きの理由Photo: Adobe Stock

ビジネスクラスでアメリカに行った思い出

――本書でも、社員を大事にしていることがよく伝わってきます。
橋本さんが森社長に大事にしてもらっていると感じたエピソードはありますか?

橋本雄一(以下、橋本):僕は役員の中でも特に森社長との距離が近いと思っています。
一時期はずっと一緒にいましたからね。
森社長からはいろいろなことを教えていただきました。
仕事以外にも、人間的な部分での学びもたくさんあります。

あるとき、IR関係の方と森社長と僕の3人で、ラスベガスに行くことがあったんです。目的はカジノの視察です。

そのとき、森社長が僕に、
「橋本さんに経験してもらいたいから、ビジネスクラスで飛行機とりました」
と言いました。
身内びいきですが、僕はそれで愛を感じました。
ただただ贅沢したいというのではなく、人間としての成長のための森社長の気遣いに心から感動したんです。

そして、人生初のビジネスクラスに乗ってみたんです。
僕も貧乏性なので、嬉しさからはしゃいでしまった。
ドリンク無料、食べ放題なので、永遠に食べて飲むわけです。
添乗員さんに呆れられていたかもしれません。
最初は若い添乗員がついていて、素直に対応してくれていたのですが、途中からベテラン添乗員に変わり、「体調大丈夫ですか」とやんわりと注意されたりして。

でも僕は舞い上がっているから、添乗員を呼び出すボタンも、居酒屋で注文するときのようにずっと押していました。ダメな客ですね。

――移動中はどんな会話をしたのですか?

橋本:僕は森社長と遠出する機会があったら、10個くらい仕事のテーマ持っていくんです。
アメリカまで10時間以上ありましたが、僕がずっとしゃべり続けていました。
森社長も疲れていましたが、一睡もせず、ずっと僕の質問に答えてくれました。
その後、ラスベガスに行ってカジノ視察をしましたが、僕の中ではその飛行機での出来事が一番の思い出です。

スリランカの国会議事堂講演を
若手社員に任せた理由

――本書に載っていない話で、橋本さんが知っているエピソードはありますか?

橋本:スリランカから日本に6万人のエンジニアを送るプロジェクトがあったときのエピソードです。

2019年頃、スリランカの首相補佐が僕らをスリランカの国会議事堂に招待してくれました。そこにスリランカにある大学の総長たちを呼んでくれたのです。
そこで森社長が講演することになったのですが、最初に少しだけ話した後、当社の堀尾という若手社員に講演をバトンタッチしたのです。

森社長が英語ができないという理由もありますが、だったら通訳をつければいいわけです。
ここで森社長は社員の成長のために、新卒の若手に大舞台を任せた。
森社長の任せる力もすごいです。

おもいっきり任せながらも、肝心なところではきちんと入ってくるバランス感覚は、森社長の真骨頂ですね。

社員に任せるところは任せきる。
でもピンチのときは必ず入ってくる。

森社長の人柄と社員を大事にしている部分を改めて感じさせられる出来事でした。