米オフィス不動産市場で、デフォルト(債務不履行)が極めて高い水準に達している。背景にあるのは、長引く高金利と需要の低迷で窮状に陥った物件オーナーが増えていることだ。調査会社MSCIによると、デフォルトや差し押さえなどの苦境にある米国内のオフィスビルの規模は380億ドル(約6兆円)超に達した。これは、2008~09年の世界金融危機を経た2012年10-12月期以来の高水準となる。オフィスビルのオーナーによるローン返済は遅れる傾向が強まっている。ムーディーズによると、商業用不動産ローン担保証券(CMBS)に転換されたオフィス向けローンのうち、返済満期までに完済された割合は2021年時点では90%を超えていた。この比率は昨年は35%にまで落ち込み、データがさかのぼれる2007年以降で最低を記録した。
米オフィス向けローン、デフォルト高水準に 返済進まず
デフォルトや差し押さえなどに陥ったオフィスビルの規模は2012年以来の高水準となる380億ドル超に達した
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