政策通の間で近ごろ話題の用語で、「潤沢」という言葉ほど重要なものはほとんどない。この言葉の意味するところ、というよりも米連邦準備制度理事会(FRB)が考えるその言葉の意味は、米経済にのしかかる7兆4000億ドル(約1150兆円)の問題になっている。  その問題とは、現在その額に近い水準にあるFRBのバランスシートのことだ。米連邦公開市場委員会(FOMC)は先週、バランスシートの縮小ペースを落とすことを決めた。FRBは2022年6月以降、米国債の保有残高を月間最大600億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)の保有残高を同350億ドル、それぞれ削減してきた。