【一発アウト】相続人の妻がした絶対NG行動とは?【実例紹介】
大切な人を亡くした後、残された家族には、膨大な量の手続が待っています。しかも「いつかやろう」と放置すると、過料(行政罰)が生じるケースもあり、要注意です。本連載の著者は、相続専門税理士の橘慶太氏。相続の相談実績は5000人を超え、現場を知り尽くしたプロフェッショナルです。このたび、最新の法改正に合わせた『ぶっちゃけ相続「手続大全」【増補改訂版】』が刊行されます。本書から一部を抜粋し、ご紹介します。

【一発アウト】相続人の妻がした絶対NG行動とは?【実例紹介】Photo: Adobe Stock

「相続人の妻」がやってしまったNG行動とは?

 本日は「よくある相続トラブル」についてお話しします。年末年始、相続について家族で話し合った方も多いかと思います。ぜひ参考にしてください。

 遺産分割協議の際に気をつけたいのが、相続人の配偶者の存在です。遺産分割の場面で常に意識しなければいけないことは、利益相反の関係です。一方の相続人が多く相続すれば、もう一方の相続人の取り分は減ります。こういった関係のことを利益相反といいます。

よくあるトラブル事例

 例えば、母の相続に際して、相続人は長男Aと長女Bの2人(父は既に他界)。遺産分割協議の場に、長男Aは妻を連れてきました。一方、長女Bは「遺産分けの話し合いに、当事者じゃない人を連れていくべきではない」と考え夫を連れていきませんでした。長女Bは妻を同席させた長男Aに不信感を抱きながらも、面と向かって「こんな場に妻を連れてくるなんておかしい」とは言えず、話し合いを始めることに。

 話し合いを始めると長男Aは言います。「Bは生前、母から資金援助を受けていたと聞いたぞ。その分、この相続では私が多くの遺産を相続したい」。しかし、長女Bは生前に母から資金援助を受けた事実はありません。Bは言います。「え、ちょっと待って。私はそんな資金援助なんて受けてないわ。言い掛かりよ」

 すると、長男Aの妻が口を出します。「お義母さんが資金援助をしたって話は私も聞いたわよ」。そして、長男Aも「うん。私も聞いた。2人も聞いた人がいるのだから、それは事実だろ!」と長女Bをまくしたてます。長女Bは2人から強く言われ、恐怖を感じ反論することができませんでした。

 その日の遺産分割協議が終わり、長女Bは帰宅後、2人から事実とは異なることを高圧的に言われ反論できなかったことを夫に話しました。その話を聞いてBの夫は怒ります。長男Aに「相続人同士の話し合いに配偶者を連れてくることがおかしい」「2人対1人の話し合いでは、思ったことが言えないのは当然だ」と抗議の電話を入れました。

「相続人の配偶者」が持つべき3つの心がまえとは?

 このように、相続人の配偶者を遺産分割協議の場に連れてくると、その場にいる人数が多くなり、自然と大人数の意見が強くなりがちです(日本特有の同調圧力があるかもしれません)。相続人の配偶者が誤ったアドバイスをして、遺産分割協議を荒らしてしまうことも多々あります。

 相続人の配偶者には、①自分は相続の当事者ではないこと、②他の相続人と利益相反の関係にあるため中立の意見は言えないこと、③利益相反の関係のある人は安易に口出しをしないこと、をしっかりと知っておいてもらわなければなりません。

(本原稿は『ぶっちゃけ相続「手続大全」【増補改訂版】』の一部抜粋・加筆を行ったものです)