米国の消費者に絶大な人気を誇る中国系オンライン市場アプリ「Temu(テム)」は、事業の優先順位を米国以外に切り替えている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。中国の電子商取引(EC)会社PDDホールディングスが運営するTemuは、リスクを抑えると同時に新たな成長要因を模索している。関係者らによると、こうした転換の背景の一つに、中国発の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を巡る米中の対立が挙げられるという。Temuは現在、欧州やその他の国々でのユーザー獲得に力を入れており、売上高に占める米国の割合は昨年の60%に対し、今年は3分の1以下位になると予想しているという。5ドル(約780円)のウォーターサーバーや3ドルのTシャツで消費者を魅了し、2年足らずで米国での月間利用者数が米アマゾン・ドット・コムに次ぐ2位となったTemuの戦略転換は、注目に値する。
中国発ネット通販Temu、脱米国に戦略転換か
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