米国の富裕層の間では、自国以外の海外資産を組み入れるグローバル投資の動きが、以前にも増して加速しているという。日本と海外の投資・経済を知り尽くした金融マン待望の初著書『個人投資家もマネできる 世界の富裕層がお金を増やしている方法』(ダイヤモンド社)では、富裕層がやっている国際分散投資を、一般の個人投資家に向けてわかりやすく解説! 投資バランスは「保守:積極:超積極=5:3:2」、1銘柄の投資額は資産全体の4%以内で、資産全体の2割は現金買付余力に――など、「これならできそう」「続けられそう」と思えるグローバル投資の秘訣を明かした1冊だ。本稿では、本書より一部を抜粋・編集し、グローバル投資の極意をわかりやすく伝授する。

株で勝てる人は見逃さない「オススメの超有名ブランド銘柄」Photo: Adobe Stock

おすすめ銘柄トップ10

グローバル投資におすすめしたい銘柄トップ10を紹介したいと思います(グローバル投資でおよそ半分を占める米国株については、すでに多くの情報がメディアにあふれており、本書の主旨からも外れますので割愛します)。

トップ10銘柄のセクターはさまざまですが、いずれもこれからの世界の経済と社会でますます重要になる「2大テーマ」(社会的インフラ・格差社会)に関わっているという共通点があります。

おすすめ銘柄①
富裕層を狙い撃ち!
高級ブランドの複合企業

銘柄名 LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMUY)

フランスを拠点とする高級ブランドを保有する会社
ワイン・スピリッツ、ファッション・革製品、香水・化粧品、時計・宝石、専門販売および、その他事業の6つのセクターからなる。おもな保有ブランドは次の通り。ワイン・スピリッツ事業は「モエ・エ・シャンドン」「クリュッグ」「ヴーヴ・クリコ」「ヘネシー」「シャトー・ディケム」など。ファッション・革製品事業は「ルイ・ヴィトン」「クリスチャン・ディオール」「ジバンシィ」など。香水・化粧品事業は「ベネフィット」「メイクアップフォーエバー」など。時計・宝石事業は「タグ・ホイヤー」「ウブロ」「ゼニス」「ブルガリ」「ショーメ」「フレッド」など。専門販売事業は「DFS」「セフォラ」など。その他事業は、ライフスタイルおよび文化・芸術のブランドを保有する。

ハイブランドばかりを扱っているLVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンは、世界の富の二極化が進み、富裕層が増えると、その恩恵を受け続けると考えられます。

意外に思われるかもしれませんが、世界でいちばん富裕層が多い米国には、LVMHのような企業は存在していません

LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンは、米国の著名な宝飾品大手ティファニーを、2021年に158億ドル(2兆円以上)で買収しているくらいです。

V字回復して
株価が下がりにくい

コロナ下では、感染拡大の過程で売上高を一時的に落としたハイブランドもありましたが、その後の経済の回復とインフレの進行によって、富裕層の個人資産はむしろ増えており、ハイブランド業界の業績はV字回復しています。

同じような企業体には、スイスのリシュモン(カルティエ、ボーム&メルシエ、ピアジェ、ダンヒルなどを傘下に収める)、フランスのケリング(ボッテガ・ヴェネタ、グッチ、サン・ローラン、ブシュロンなどを傘下に収める)もありますが、なかでもいちばん大きいのがLVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンなのです。

さらに、ワイン・スピリッツ事業が強力で、その分だけ景気の変動を受けにくく、株価が下がりにくい点も評価できます。

※投資は自己責任で行ってください。本書をもとにした損害等について、出版社・著者は一切の責任を負いません。また、実際の取引に関することは、取引先の金融機関や証券会社にお問い合わせください。

※本稿は、『個人投資家もマネできる 世界の富裕層がお金を増やしている方法』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。