ロボアドバイザー投資のイメージ写真Photo:PIXTA

AI(人工知能)を活用した資産運用が広がりつつあるようだが、実際のところ「AI任せ」の資産運用はうまくもうけられるのだろうか?筆者の率直な意見を述べてみる。(経済評論家 山崎 元)

Z世代がAIで資産運用
「放置できるのが一番の魅力」

 世間はAI(人工知能)ブームに沸いており、ほとんどあらゆる分野でAIの活用が話題になっている。資産運用の分野も例外ではない。「日本経済新聞」に「Z世代、資産形成はAI任せ 銘柄選び『時間かけたくない』」(8月28日)という記事が載った。

 Z世代とは1990年代後半以降の生まれの世代を指す言葉だ。「ミレニアル世代」と称されたその前の世代が既に若者とは言い難くなってしまったので、近年専ら若者を指す代名詞として使われている。

 Z世代が、AIを使っていると称する投資アドバイザーアプリを利用しているという事実を伝える記事だが、利用者の一人は、「運用を放置できるのが一番の魅力」だと言い、自分で状況に合わせて資産を再配分する必要がないことを長所だと捉えているようだ。

 資産配分を行ってくれるという意味では既に、投資信託なら「バランスファンド」、人間のサービスなら「ファンドラップ」、システムによる一任運用なら「ロボアドバイザー」が存在した。「AI」になると何が違うのだろうか。

 記事によると、AIによって運用するという触れ込みのロボアドバイザーを利用しているらしい。利用者は、時間とともに学習データを増やしてAIが賢くなっていくことや、人間の先入観による投資判断が排除できると「感じる」ことなどをポジティブに捉えているようだ。