スロバキア首相の暗殺未遂事件は、欧州政治で進む二極化を浮き彫りにした。欧州では、ポピュリスト(大衆迎合主義者)的な政治家と彼らを断固として批判する勢力の間の危うい闘争が、東方に位置するウクライナで長引く戦争のために悪化している。中欧スロバキアの警察は16日、ロベルト・フィツォ首相銃撃の殺人未遂の容疑で逮捕した容疑者の本格的取り調べを開始した。同国政府はこの事件について、71歳の男性が政治的動機に基づいて行った「一匹おおかみ」的な犯行だと述べた。当局によると、病院に搬送されたフィツォ首相の容体は安定しているものの、非常に深刻だ。フィツォ氏は昨年、ウクライナでの戦争と移民の増加によって引き起こされたスロバキア社会の分断を利用する形で、5年ぶりに首相に復帰した。同氏はそれ以降、この二つの問題に関する欧州連合(EU)の政策に反対しながら、ますます反米・親ロシア路線を取っている。
スロバキア首相暗殺未遂、社会の分断が暴力に波及
71歳の容疑者は政治団体と無関係、「一匹おおかみ」の犯行か
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