「毎日を気分良く過ごしたい」「他人に振り回されるのをやめたい」「自己肯定感を高めたい」……そんなあなたにおすすめしたいのが、『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』(キム・ダスル著、岡崎暢子訳)の感情コントロール術だ。簡単なことでは揺らがない自分になるための、「気分」を整える習慣を知ることができる。そんな本書からエッセンスをピックアップして紹介する本連載。今回のテーマは、「『気分にムラがある』を解決する習慣」だ。(構成:ダイヤモンド社書籍オンライン編集部、文:川代紗生)
「気分にムラがある人」でも努力を継続できる秘訣とは?
「気分」にムラがあり、努力できるときとできないときで、大きな差がある。
やらなければいけないことはわかっているし、達成したい目標もある。
でもどうしても、「気分」がのらない。怠けたくなってしまう……。
誰しも、調子の悪い日、がんばりたくてもがんばれない日はある。
そんな暗澹とした日々から脱却できる、簡単で、かつ効果的な方法があるという。
それは、「朝、ふとんを蹴っ飛ばす」ことだそうだ。
朝一番の行動は、できるだけハードルを下げること
教育現場やマネジメントの現場でも用いられる手法で「スモールステップ」という考え方がある。
高すぎる目標を設定すると、「どうせムリ」「自分にできるわけがない」と意欲を損なってしまうので、一つひとつの目標を小さくし、ちょっとずつ階段をのぼっていくようにすると、目標達成しやすい──というものだ。
「朝、ふとんを蹴っ飛ばす」というのはまさに、とても、とても小さなスモールステップをはじめに用意する、という考え方だ。
かくいう私も「気分」にムラが出やすいタイプで、たとえば体調が悪くて今日はやる気が出ないとか、昨日はいやなことがあったからもう何もしたくないとか、些細なことにも影響されてしまっていたのだが、この「朝、ふとんを蹴っ飛ばす」方式はすごいと、心底関心した。
なぜなら、ここまでハードルを下げてくれるスモールステップというのは、今まで聞いたことがなかったからである。
たとえば、一日を効率よく過ごすための朝の習慣として
・まず、朝の散歩に行ってみましょう
・まず、顔を洗って目を覚ましましょう
・まず、カーテンを開けましょう
などのアドバイスを聞いたことはあっても、なかなか実践できなかった。
あるいは、数日は実践できても続かなかった。なぜなら「朝の散歩」も「顔を洗う」も「カーテンを開ける」も、なんだかんだ、ハードルが高かったからだ。
だからこそ、「ふとんを蹴っ飛ばす」を一つのタスクとしてカウントする、という考え方には、驚かされた。
「やる」も「やらない」も1秒で決める
「『やる』も『やらない』も1秒で決める」という方法も、読了後、実生活に取り入れてみてよかったことの一つだ。
だけど思い出してみて。実際にとるべきアクションは、「やる」か「やらない」かの二者択一、超シンプルなことだってこと。(P.246)
これができていないのも、仕事で情緒不安定になりやすい原因の一つではないか、という学びがあった。
たとえば、一度送ったメールの内容について、もっとああ書けばよかったかも、などとぐるぐる考え続けてしまい、それだけで10分経ってしまう。
あるいは、「行かない」と決めた異業種交流会について、「やっぱり行けばよかったかな」ともやもやしてしまったり……。といった迷いが、実は時間のロスにつながっていたのだ。
それは「どちらを選んでも、それが自分の選択であり、正しい」と考えることだ。(P.246-P.247)
「なんてダメな人間なんだ」と自分を責めそうになったら
「やる」も「やらない」も一秒で決める。
このルールを取り入れはじめたことで、気づいたことがある。
それは、「やらなきゃいけないのに、やれてない」──つまり、「やる」と決めたのに、「やらない」選択肢を取り続けているという矛盾した状態によって、自尊心がげっそりと減ってしまうのであって、「やらない」と決めたことを「やらない」だけなら、「気分」が揺らぐこともない、ということだ。
たとえば、毎日筋トレをする、という目標を立てていたとする。
体がだるくて今日はやりたくないな、と思ったら、その段階で「やらない」と決めてしまうのだ。
それじゃあ怠けているのと変わらないじゃないかと思われるかもしれないが、「やらなきゃいけないのに、やれてない」状態と、「自分でやらないと決めたから、やらない」状態は、大きく違う。
「また自分との約束をサボってしまった」という罪悪感や自己嫌悪で自分を責め、ますますやるのが億劫になる、という負のスパイラルからは抜け出せるからだ。
「気分」とは、ほんのちょっとの行動や習慣の差でがらりと変わる。
たった1日なら「ちょっと憂鬱な気分」で済むかもしれないが、それが毎日続いたら、「憂鬱な人生」になってしまう。
「ふとんを蹴飛ばす」からでもいい。小さなステップからでいいので、自己嫌悪のループから抜け出すきっかけをつくってみてはいかがだろうか。