おかずをあまり食べてくれない! どうしたらいい?
「子どもには、少しでも体によいものを食べさせたい!」ですよね。
でも、ごはんは毎日のこと。なるべくシンプルで簡単に済ませたいものです。
この連載では、『医師が教える 子どもの食事 50の基本』の著者で、赤坂ファミリークリニックの院長であり、東京大学医学部附属病院の小児科医でもある伊藤明子先生が、最新の医学データをもとに「子どもが食べるべきもの、避けるべきもの」をご紹介します。
本書の読者からは、
「子を持つ親として、食事の大切さがよくわかった」
「本を読む習慣がない私でも読みやすく、頭に入りやすかった」
「何度も読み返したい本!」
といった声がたくさん届いています。不確かなネット情報ではなく、医学データと膨大な臨床経験によってわかった本当に子どもの体と脳によい食事。毎日の食卓にすぐに取り入れられるヒントが満載です。
今回は白いご飯ばかりを好む子どもに、少しでも栄養をプラスできる工夫を解説します。
※食物アレルギーのある方は必ず医師に相談してください。
白いご飯だけでは栄養不足?
白いごはんが大好きで、ほかのものを食べないお子さんがときどきいます。確実に栄養不足になってしまうので、少しでも補充できるよう、たんぱく質、ビタミン、ミネラルを含むすりゴマやきな粉を足しましょう。
炊いたごはんにたっぷりのすりゴマか、きな粉、あるいは両方をかけてみてください。簡単ですぐにできますよ。ぜひ試してみてください。
偏食で貧血になります
白いごはんだけを長期にわたって食べていると、脚気(かっけ)という病気になって、死んでしまうことさえあります。おもに明治時代に流行しましたが、白いごはんではなく麦飯を食べていた人たちは、麦飯に含まれるビタミンB1のおかげで脚気になりませんでした。
また偏食が強いと、鉄や亜鉛などのミネラルが不足して貧血になるリスクが急上昇します。「めまい、息切れ、易(い)疲労(疲れやすい状態)」など貧血の身体症状だけでなく、集中力の低下、情報処理速度の低下、情緒の不安定などが起きることもあります。外から見えない脳の中にも影響があるのです。
食事を楽しみましょう
偏食を治したいがために、つい叱ってしまう親御さんがいますが、食卓は楽しい場にしたいですね。食べられない食材やメニューばかりに注目するのではなく、「どうしたら楽しい食卓になるか?」に焦点を合わせてみましょう。
とはいっても、偏食をどうにかしたい親御さんは多いはず。偏食についてのある研究で、一度、子どもが拒否・拒絶した食べ物であっても、8~15回出すことで、食べられるようになるというデータがあります。[*101]
また、自分が育てた野菜には愛着がわき、食べることに前向きになります。環境が許せばベランダ菜園を設けたりして、親子で一緒に育てる、調理する、食べるというサイクルを作ることは有効ですよ。