これはあり得ないシナリオだ。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、米国の取りそうな対応を検討する(そして検討に検討を重ねる)ことなくウクライナに侵攻するというものだ。もちろん事実に反する仮定だと認識した上で言うと、ドナルド・トランプ氏が2022年2月に米大統領の座にとどまっていたら、同氏の予測不能性や無謀との評判をプーチン氏は計算に入れざるを得なかっただろう。  対照的に、ジョー・バイデン米大統領はバラク・オバマ政権下で8年間副大統領を務め、オバマ氏の顧問に囲まれて、ワシントンの政治エリートの中で育まれた。