米画像処理半導体(GPU)大手エヌビディアの半導体はどれも、何かに搭載する必要がある。これが米デル・テクノロジーズに非常に実入りの良い現実をもたらしている。
人工知能(AI)を巡る熱狂は、40年前にオーダーメードのパソコンメーカーとして創業したデルにも追い風となっている。時価総額はこの12カ月で3倍超になった。きっかけはエヌビディアが示した途方もない売上高見通しだ。チャットボット(自動会話プログラム)「チャットGPT」のような生成AIサービスの構築を目指す企業が、どれほど同社の半導体を欲しがっているかをうかがわせるものだった。デルは株価も今年に入ってから2倍超に上昇した。
デルは年間売上高が世界最大級のテック企業だ。パソコンや記憶装置のほか、ITサービスやソフトウエアなど商品は多岐にわたる。エヌビディアのGPUを使用するには高性能メモリーなどを備えた専用サーバーが必要となるため、デルはとりわけサーバー事業がAIブームの恩恵を受けている。