今回は、半導体業界の注目企業、ルネサスエレクトロニクス、米エヌビディア、台湾TSMCについて、戦略の違いを決算書から読み解く。貸借対照表(B/S)の基本を押さえたところで、各社の実際の数字を見ていこう。(中京大学国際学部・同大学院経営学研究科教授 矢部謙介)
>>前編『ルネサス・エヌビディア・TSMC、三社三様の「貸借対照表」でわかる半導体“強者”の戦略』から読む
熊本にも工場建設
有形固定資産の割合が大きいTSMC
以下の図は、TSMCのB/Sを比例縮尺図に図解したものだ。
B/Sの左側(資産サイド)で最大の金額を占めているのは、有形固定資産(使用権資産を含む、約3兆1050億台湾ドル)だ。これは、総資産(約5兆5320億台湾ドル)の約56%に相当する。